D E S I G N E D F O R   O U R D A I L Y L I F E  前田木藝工房の技法

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「媒染技法」

会社でオフイス家具の設計をしていた頃 塗装ということは人工的な色をつけることであったから
媒染方法を父に教わった時の不思議な気持ちは今でもよみがえる
鉄板や合板やアルミサッシに木目を印刷して木に見せかけることはさすがに少なくなったが
売られている家具の中には 木にみせかけた偽物も数多くある
人工素材には 赤や黄色の原色もよく似合うが 素材のままの色が好きなのは 剥げないからである

「古色_こしょく」というのは 時間を経て素材の色が自然に変化してつく色のことで
「古美_ふるび」などと昔から呼ばれている
古びるということは 年をとって 醜くなることではなく
風格や品がますことであるが 人間もそうありたい

わが国で使われる樹種は地形的に数多いから 色や表情は千差万別
草木染めと同じ媒染着色というのは 酸とアルカリが素材と作用する化学反応によって
樹のもつ個性的な色を引出す方法で 木が自分らしく輝やくための最良のやり方だと思っている