日本の戦後、西欧化は、家具のなかった僕達の生活の中に瞬く間に浸透しましたが、セラ真澄のような伝統と現代がクロスした空間でのインテリアとなると、西洋の椅子テーブルをしつらえるのは難しいものです。
バレンタインデー、バースディーパーティー、年末のクリスマスなどなど、西洋の行事には、楽しくムーディーな音楽がつきものですが、日本の行事となるとぴったりする洋楽がもやはりないですね。
紅白は日本のお目出たい色、お正月のイメージと、クリスマスのイメージの手ぬぐいなんていうのも楽しい発見でした。


今回の会場つくりのテーマは、「信州極寒・あたたかな集い」といったところでしょうか。三城の工房の生活そのままが僕達の提案。日本酒の樽だしにあわせて諏訪から美ヶ原方面に連なる山々から湧き出る水・ゆたかな自然と共存するロハスなこれからの日本の集いです。


〜出品作品から〜

片アームの椅子
一番はじめに作った自分用
日本橋三越での伝統工芸展の制作に燃えていた若い頃、ふと自分の腰掛けている椅子をみるとなんだか変、西洋の椅子に腰掛けて日本の伝統を作っているちぐはぐが、順調に歩んできた伝統工芸作家の道をすっかり踏み外すことになりました。四角いものが得意な指物師が椅子を作り始めるきっかけとなった、思い出深い愛着の作品です。

ガラスの入ったいろり
銀座和光展会場で


錆びた鉄の火皿

1995年個展「日本人の暮らしを原点に」で発表以来、工房の生活に欠かせないものとなったいろりと火皿。以来十年、様々なご家庭で集いの時間を演出しています。日本独自・何万年と続いている樹の生かし方・炭の文化は、木が腐らずに煙を出さずに燃えるというだけでも感激します。


革巻きの背のスタッキングチェアー

庭の散歩用に作った僕の椅子を原型に、今回の展示に合わせて制作しました。
三本脚は凸凹の床でもがたつかず土間や玄関など、土足空間によく合うようです。


鍛鉄の脚と杉板のテーブル

鉄の立方体と杉板のベンチでなんとか座って頂くことが出来ました。日本の木、杉は伝統空間によく似合います。江戸では赤身と白太を紅白にみたて、縁起のいいものとしていました。


〜会場風景〜

料理大好き宮坂公美さんの手料理とうまい酒、小椋さんが担当してくれた炭焼、あたたかな一夜は大いに盛り上がりました。

温泉一泊組あり、工房泊まり組あり、翌朝の三城はよく晴れて雪景色満喫、楽しく旧正月気分

ご協力頂きました方々、ご遠方からお出かけ下さったみなさま、まことにありがとうございました。